第54回 九州大学歯学部同窓会 福岡支部主催学術講演会
演題:「医療現場で求められている周術期口腔機能管理」
~口腔粘膜疾患とその管理について~
なかむら せいじ
講師:中村 誠司先生
九州大学病院口腔顎顔面病態学講座 顎顔面腫瘍制御学分野 教授
略歴:
1982年 九州大学歯学部 卒業
1982年 九州大学大学院博士課程歯学研究科歯学臨床系 入学
1986年 九州大学大学院博士課程歯学研究科歯学臨床系 卒業
1986年 九州大学歯学部口腔外科学第二講座 助手
1986年 米国オクラホマ医学研究所免疫学部門 Postdoctoral Fellow
1988年 米国バ−ジニア大学医学部内科学教室リウマチ学部門 Postdoctoral Fellow
1989年 九州大学歯学部口腔外科学第二講座 助手
1994年 九州大学歯学部附属病院第2口腔外科 講師
2004年 九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座顎顔面腫瘍制御学分野 教授
2012年 九州大学病院副病院長(統括・歯科担当)
講演内容:
御存知のように、2012年4月の診療報酬改訂で、外科的手術後の誤嚥性肺炎等の合併症、さらには放射線治療や化学療法といったがん治療に伴う合併症の軽減を目的として、「周術期口腔機能管理料」が新設されました。口腔ケアに対する医師や看護師の認識や要望が高まり、医科歯科連携が強く求められていることもあり、歯科にとっては強い追い風となっています。
九州大学は医学部と歯学部が併設されている国立大学として初めて医科と歯科の病院を統合し、特に医科歯科連携を強力に推進してきました。九州大学病院では、前述のような社会的背景を踏まえ、多くの患者さんに充実した周術期口腔機能管理を実施できるように積極的に体制整備に取り組んできており、従来の口腔ケア支援チームを基盤とし、2014年4月に「周術期口腔ケアセンター」を新設し、強力な医科歯科連携のもとに歯科部門全体で集学的に実施する体制を整えました。しかしながら、周術期口腔機能管理は九州大学病院内だけで完結することは極めて困難ですので、我々は地域歯科医療機関との新たな病診連携の形を考えています。今回の講演では、九州大学病院の医科歯科連携の体制を解説し、地域歯科医療機関との新たな病診連携の必要性について説明したいと思います。
一方、我々が医療現場で求められている周術期口腔機能管理を十分かつ的確に実施できるかどうかを考えると、体制整備や病診連携だけでは不十分で、多くの臨床歯科医にとっては知識や経験が不足している感が否めません。特に、口腔粘膜疾患や口腔粘膜のケアに関しては、従来の日常臨床では遭遇することは少なかったと思います。今回の講演では、有病者で診られやすい口腔粘膜疾患とその対応方法について解説したいと思います。
○ 日時: 平成26年10月22日(水)19時30分~
○ 場所: 福岡県歯科医師会館5階 視聴覚室
○ 会費: 無料 他大学出身の先生、スタッフの方もご参加ください
○ 問い合わせ先:もろおか歯科 諸岡 隆之 641-0204
ささだ歯科クリニック 笹田 浩隆 713-1505