第57回 九州大学歯学部同窓会 福岡支部主催学術講演会
演題:「歯科医師臨床研修の場から歯内治療を考える」
講師:和田(わだ) 尚(なお)久(ひさ)先生
九州大学病院 口腔総合診療科 教授
略歴:
平成9年3月 九州大学歯学部 卒業
平成9年4月 九州大学歯学部附属病院第二保存科 入局(研修医)
平成10年4月 九州大学大学院歯学研究科博士課程 入学
平成13年4月 日本学術振興会 特別研究員(DC2)
平成14年3月 九州大学大学院歯学研究科博士課程 修了(歯学博士)
平成15年4月 九州大学歯学部附属病院第二保存科 医員
平成17年6月 九州大学病院口腔総合診療科 助教
平成19年9月 豪州アデレード大学歯学部Colgate Australian Clinical Dental Research Centre
Postdoctoral Research Officer
平成22年4月 九州大学病院歯内治療科 助教
平成24年1月 九州大学病院歯内治療科 講師
平成27年4月 九州大学病院口腔総合診療科 教授
講演内容:
九州大学病院口腔総合診療科は、歯科医師臨床研修の管理・運営・指導を目的として平成11年に歯学部附属病院の13番目の診療科として設立されました。歯科医師臨床研修制度は平成18年に必修化されてから丸10年が経ちました。本制度について九州大学病院歯科部門のこれまでの取組みや今後の展望について少し紹介させていただきたいと思います。
臨床においては、当科は他の専門科とは異なり、総合的な歯科治療をシームレスに行うことを特徴としています。現在は術前術後の口腔ケアを主とする“周術期口腔機能管理”の主担当科として管理運営の任にもあたっています。講演では、一般歯科において日常的に行われている治療の一つで、臨床研修でも頻度の高い治療である歯内治療についてお話したいと思います。歯内治療は、抜髄処置、感染根管処置ともにその成功率は約75%という報告がなされていることからも、決して予知性の高い治療とは言えないのが現状です。これは、根管の解剖学的形態、治療器具の形状やサイズ、薬剤の効果などの制約があるため、歯科治療の基本である「見る」「触る(さわる)」「填ぐ(ふさぐ)」が困難な条件下で治療を進めていかなければならないことに理由があります。近年、マイクロスコープ、CBCT、Ni-Tiファイル、垂直加圧根充法、新規根充剤やこれらに付随する歯内治療器材などの、歯内治療における困難なポイントを克服するような治療器具や治療法が臨床の場に普及してきています。本講演では、歯内治療について文献的考察を交えながら検証し、さらに私が現在、口腔総合診療科診療室で使用している器具や方法を紹介しながら、歯内治療について皆さんと考えてみたいと思います。
○ 日時: 平成28年6月29日(水)19時30分~
○ 場所: 福岡県歯科医師会館5階 視聴覚室
○ 会費: 無料 他大学出身の先生、スタッフの方もご参加ください
○ 問い合わせ先:もろおか歯科 諸岡 隆之 641-0204