2018年1月16日
~関西支部だより:秋の勉強会(H29年11月))
関西支部恒例の秋の行事「勉強会」が、11月11日(土)午後2時より、「ハートンホテル北梅田」にて行われました。今回の講師は、昭和46年九州大学経済学部に入学以降、47年間大学に在籍されている遠藤雄二准教授、演題は、「日本の職場における働き方改革について考える」でした。聴講者25名は、日本経済の大きな課題の一つである働き方改革に関する課題について、事例を参考にした遠藤先生の提言と理念に聞き入り、あっという間の1時間30分でした。
内容は、この20年間の日本は、賃金は減少、賃金格差も拡大している。また、年間労働時間が長い、年休が取れない、残業も多い状況は変わっていない。このおかしい働き方をどのようにしたら変えることができるのか。この課題に対して、2つの職場の理想的な働き方の事例を紹介されたうえ、生産性向上というキーワードからの課題解決策の提言をいただきました。
一つ目の職場は「未来工業」。岐阜県に本社のある未来工業は社員数約800名の電気資材メーカーであり、「日本一社員が幸せな会社」「元祖ホワイト企業」として話題となっている。その職場環境の特徴は、①就業時間は1日7時間15分で、残業は原則禁止 ②年間休日は140日で「日本一休みが多い会社」として表彰された ③終身雇用と年功序列型賃金で、育児休暇は最大3年 ④社員全員が正社員で、希望に応じて70歳定年制 ⑤60歳過ぎての再雇用制はなく、60代の平社員で年収700万円が数名。また「売上目標」、「営業ノルマ」、「ホウレンソウ」、「成果主義」がないのが大きな特徴。これらがない理由は、社員を「管理する」のではなく、信じて「仕事をまかせて」いるから。また「常に考える」事を大切にしているから。
二つ目の職場は「第一勧業銀行高田馬場支店」。作家の江上剛氏は第一勧業銀行に入行し、高田の馬場支店の支店長に昇格した。そこで実施したのが、「残業なし」宣言だった。これが功を奏して、残業時間が減り、「業績は向上し、最高評価を受け、優秀賞も受賞した」。行員達には、「自分の時間確保」→「残業時間を減らす」→「どうやって減らすか自分で考える」→「業務プロセスを工夫する」→「残業が減り始める」‥‥。このような循環が起き始めた。(ちなみに、江上 剛氏の作品には、「銀行支店長、走る」や「翼ふたたび」など銀行や企業で活躍する人を扱ったものが多く、今回のテーマにふさわしい「ザ・ブラック・カンパニー」の作品もある。ぜひ一読されてみてはいかがでしょうか?)
最後に「生産性向上」というキーワードから、これら事例も含めて分析され、「働き方改革とは、生産性をあげ、結果として労働時間を短縮すること」と提言とされています。
勉強会終了後の午後3時30分から、懇親会は小森田支部長(昭和46年卒)の乾杯で始まり、お互いに旧交を温め話が弾む中、中締めは参加者の最年長であります清水氏(昭和29年卒)の締めの挨拶で終わりました。
次の公式行事は、平成30年5月19日(土)の関西支部総会です。皆さん是非ご参加ください。お待ちしています。
(報告:事務局長 谷村 信彦)