2014年12月2日
~関西支部恒例の秋の行事「勉強会」が、11月15日(土)午後2時より、心斎橋駅近くの「ハートンホテル南船場」にて行われました。今回の講師は、平成8年経済学部卒の藤川昇悟氏(阪南大学経済学部准教授)、演題は、「日本のモノづくりは生き残れるのか?―自動車産業をケースとして―」でした。聴講者21名は、藤川氏の詳細なデータと実地調査に基づいた緻密な説明に聞き入り、あっという間の1時間30分でした。
~内容は、グローバル化が進展していく産業界において、自動車産業を例として、日本の製造業が生き残れるかという大変興味深いテーマについて、統計データに加え、藤川氏が実際に中国に滞在して確認した、自動車産業の現場の生の調査結果を基にした現状と将来についての持論を展開されました。
藤川氏は、日本の自動車会社が部品会社と協力した商品開発体制は、中国企業では簡単にまねできるものではなく、日本人の求める品質レベルには程遠いことから、衣服やパソコンのように日本の自動車生産が中国に奪われることはない。しかし、地産地消=現地生産の拡大とともに輸出が減少し、将来的にはその国に必要な車はその国で生産することになるので、生産年齢人口の減少に伴い日本の車の需要も減少していき、日本での生産は縮小せざるを得ないのでは、とのことでした。
また、日本の部品会社は高度な品質管理を徹底して良品のみを自動車会社に納入しているが、海外では納入された不良品を含む製品の中から基準を満たす良品を選別して使用する企業が多く、最終的にどちらがコスト的に有利か分からないなど、私共日本人が当然と思っていることがそうではないという気づきも与えていただきました。
~勉強会後終了後の3時30分から、懇親会は鈴木顧問(昭和33年卒)の乾杯で始まり、
~お互いに旧交を温め話が弾む中、~中締めは内田先輩(昭和22年帝国大卒)から清少納言の「3つのどうしようもできないこと(たとえば年齢差など)」を話のネタにお話しいただき、最後に石橋支部長(昭和36年卒)の締めの挨拶で終わりました。
報告者:谷村 信彦
(理事、平成3年経済工学科卒)