九州大学経済学部同窓会 お知らせ詳細

お知らせ

2014年1月6日

キャンパス便りNO.3

多様性を育む九大経済の文化

 

経済学部同窓会学内理事 深川博史

(経済学研究院 教授)

 新年あけまして、おめでとうございます。

箱崎キャンパスは冬休みに入り閑散としています。普段は学生で活気溢れる箱崎キャンパスも冬休みは静かです。静穏の中に時折、轟音を立てて飛行機の通る箱崎キャンパスの風景も変わりません。

 箱崎キャンパスには昔と同じく多様な学生が同居しています。一風変わった学生や、とてつもなく優秀な学生がいて、九大経済の多様性を特徴づけています。国際化が進む近年の箱崎キャンパスには、その多様性を育む懐深い九大経済の文化が息づいています。 

 数年前に気象協会に就職したM君は、在学時に気象予報士の資格を取得して、気候変動の立派な卒論を書き上げました。竜巻、台風や雷などの話になると目が輝きだし、荒天の日のゼミは議論が盛り上がりました。ただその後に好天が続いたためか休みがちになり、私の農業政策の授業は欠席が多く、卒業できるかハラハラしました。無事卒業できてホッとしましたが、大学進学先に、なぜ経済学部を選んだのか、いまもって不思議です。それでも、希望の方面に就職できて幸いでした。

 ソウル大から留学に来て、韓国の塩田に関する立派な論文を書き、数年前にGoogleに就職したC君。彼は英語が堪能でしたが、韓国の塩田復興支援の活動に打ち込むあまり、ゼミをよく休んでいました。NPOの活動をやりながら、海外を飛び回るという活発な学生で、米国や東南アジアによく出かけていたようです。最近では、NPOに関わる学生も増えたようですが、C君は時代を先取りする学生でした。卒業間際の冬になって、立派な日本語で、塩田に関する論文を提出してきたときにはビックリしました。

 九大経済は昔からさまざまな人々を受け容れる多様性ある文化を特徴としてきました。大学の国際化を受けて、年々増えつつある留学生の姿は、九大経済の多様性ある文化に、さらなる深みを与えているといえるでしょう。懐の深い九大経済の文化を今後も温かく見守って頂きますようお願い申し上げます。

 

最近の深川ゼミの志賀島合宿です。

(本文とは関係ありません)